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晩夏〜初秋を代表する高山植物
トウヤクリンドウ

リンドウ科
Gentiana
 algida
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 トウヤクリンドウはリンドウ科リンドウ属の多年草で、北海道〜中部地方の高山砂礫地に生える。名前は「当薬竜胆」で、もともと当薬とはセンブリの茎根を乾燥したもののことだが、本種の根も薬用にするところから命名されたらしい。8月中旬以降、北アルプスを歩くと淡黄色の花をつけた姿によく出会う。花冠は長さ約4センチで浅く5裂し、黒緑色の斑点がある。晩夏〜初秋に咲く高山植物の代表選手で、この花が咲き始めると山にも秋が足音をたてて近づいてくる。
 ところで大雪山には品種のクモイリンドウ(f. igarashii)がある。本種よりも草丈は小さいが花は大きい違いがある。しかし品種として分けない見解もあるようだ。



北アルプス・岩小屋沢岳に咲くトウヤクリンドウ



8月中旬、北アルプス・白馬岳で撮影した花のアップ




  
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Nature
植物記