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葉の形をカミソリにたとえた
キツネノカミソリ

ヒガンバナ科

Lycoris sanguinea
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 9月下旬に咲く同属のヒガンバナよりも少し早い晩夏の頃、里山の道路や山裾などに橙色の花がまとまって咲いているのを見かける。ただヒガンバナの葉は花後に出てくるが、本種の葉は春に出て夏に枯れ、そのあとに花茎をのばして花をつける違いがある。ちなみに本種もヒガンバナも有毒植物だ。
 名前は葉の形をカミソリに見立てた命名というが、のびてきた花茎を見立てたという説もある。花被片は6個で、雄しべは花の外に突き出さない。花が大きくて、雄しべが外に突き出すものは変種のオオキツネノカミソリで、関東地方以西に分布し、九州には大群生地が知られる。
 3倍体のために結実しないヒガンバナに対して本種はよく結実し、径約1.5センチほどの扁球形の刮ハを作る。


関連情報→本サイト植物記「オオキツネノカミソリ



鳥取県日南町国道沿いで群生していたキツネノカミソリ



逆光に輝くキツネノカミソリ/広島県作木村。



花のアップ/鳥取県日南町。




  
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