紫色のつるがのびる
ツルリンドウ
リンドウ科
Tripterospermum japonicum
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リンドウ科ツルリンドウ属の多年草。茎は長さ40〜80センチの紫色のつるとなって、ほかのものに巻き付きながらのびる。葉には明瞭な3脈があり、花は茎の先や葉の腋につき淡紫色で5裂し副片がある。果実は液果で表面にはつやがあり紅色に熟す。北海道〜九州の山地帯に分布。
ツルリンドウは登山中によく目にする。派手さはなくて地味な花だが、一方秋に落ち葉の間でひっそりと自己主張している果実は間近でよく見ると派手な色あいだ。
ところで本州日本海側、亜高山帯の針葉樹林には、茎はつるとならずに地面をはい長さ30〜40センチほどと短く、花は茎先に普通1個しかつかず、本種よりも小さく色も薄い変種のテングノコヅチ(var. involubile)がある。1987年に北アルプス・西穂高岳登山道で京都の高校教諭によって見出され、翌年、果実の赤い色から「天狗」。果実から「小槌」を連想して命名された。
また屋久島には果実が刮ハとなるハナヤマツルリンドウ(別名ハゴロモツルリンドウ。T. distylum)が知られる。本種に似て茎が緑色のホソバノツルリンドウもあるが、こちらはホソバノツルリンドウ属という別属。
関連情報→本サイト植物記「ハナヤマツルリンドウ」
青森県・八甲田山で見かけたツルリンドウ。
色鮮やかな果実。長野県・カヤノ平高原にて。
変種のテングノコヅチ。北アルプス・爺ヶ岳にて。
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