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日本産アザミで最大の花をつける
フジアザミ

キク科

Cirsium purpuratum
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 富士山周辺に多いことから命名されたアザミのなかまで、フォッサ・マグナ要素の植物のひとつ。前項ヤナギランと同じく、火山裸地などにいち早く侵入する先駆植物で、確かにほかの植物は少ない砂礫地に生えているのを目にすることが多い。私が自生で見たのは、丹沢、安倍奥、三ツ峠、御坂山地のほか、上高地乗鞍スーパー林道でも見かけた。
 全体の草姿は大きくて存在感は抜群。8〜10月に径7〜10センチもある日本産アザミの中で最大の頭花を咲かせる。総苞片は紫色で反り返り、先は鋭く縁には短い刺毛がある。根は食用にし、ヤマゴボウの名前で親しまれているが、ヤマゴボウというヤマゴボウ科の有毒植物が別にあるので間違えないこと。




頭花を多数つけたフジアザミの株。丹沢山系・表尾根にて。 


 
頭花アップ。筒状花のみからなる(左)。コンクリートが吹き付けられた斜面隙間から生えたフジアザミ。南アルプス南部の林道にて(右)。



  
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