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柿色の花をつける
カキラン

ラン科
Epipactis thunbergii
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 カキランは北海道〜九州の湿地に生えるラン科カキラン属の多年草。名前は柿色の花に由来。別名としてスズランとも呼ばれ、ユリ科のスズランと紛らわしい。本項植物記でも紹介した「エゾスズラン」と同属で、ちなみにエゾススランの変種として海岸のマツ林内に生えるハマカキランというなかまもある。
 花弁は柿色をしているが、矢印のような形をした唇弁には黄色のV字紋があり、淡い赤紫色。全体に華やかさはないが、よく見れば美しい姿をしている。花期は6〜8月。

 カキランは尾瀬ヶ原をはじめ、各地の湿原や湿地で見かける。以前、静岡県の湿原を訪れた際、湿原の一角にかなりの数が咲いているのを見たこともある。この湿原はほとんど無名である上に、カキランが咲く季節には訪れる人もおらず、ひっそりと種を継続しているようだった。




カキラン。春の花で名が知られた湿原でも時期外れの初夏に訪れると見かけたりする。長野県・某湿原。



花のアップ。岡山県・鯉ヶ窪湿原。



  
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植物記