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熊除け鈴貸し出し箱 青森県・縫道石山など

撮影年月日:2008年6月15日など

 熊除け鈴の貸し出し箱とは、登山者や山菜採りの人のために地元警察署が善意で設置しているものだが、私が見たことがあるのは青森県内の2ヶ所のみ。登山口にある公共施設などで貸し出しを行っている例は他県でもあるようだが、登山口に箱だけ設置され、自由に借りられるのは珍しいかもしれない。
 実に親切な取り組みで、登山者も助かるだろうと感心。でも箱を開けて残念に思った。縫道石山の登山口にあった熊除け鈴貸し出し箱には、鈴がひとつもなかった。登山口には車が1台停まっていただけなので、たまたま登山者がすべて使用していた可能性も考えにくい。鈴をかけるフックは20もあり、最初は鈴が20個用意されていたのだろう。箱の中には「鈴は返してください。持ち帰りは犯罪です」という紙も貼ってあったところを見ると、やはり実際に持ち帰る人もいるものと思われる。うっかり返し忘れたのかもしれないが、郵送でも返せるはずで、いづれにしても返さないのはダメだろう。しかも警察が用意したものを返さない(=盗む)とは、どういう図太い神経なんだよ。せっかくの警察署の取り組みも無駄にしかねない。最近は登山者のモラルも地に落ちていると感じているが、こういうところにもその傾向が表れているのかもしれない。



下北半島にある縫道石山(ぬいどういしやま)登山口に設置された熊除け鈴貸し出し箱(左)と鈴がひとつもなくなっていた箱の中(右)

青森県風間浦村の小川目林道に置かれた熊除け鈴貸し出し箱(左)。使用中なのかもしれないが、フックが15個もあるのに鈴は4個だけになっていた(右)



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