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登山届入れ 八ヶ岳・みどり池入口など

撮影年月日:2008年10月18日など

 ある程度以上の時間を要するコースの登山口には、登山届入れが置かれていることが多い。「登山者カード入れ」と呼ばれることもあるが、同じものだ。また「登山者ノート」もたまに見かけるが、これは登山届よりも簡易的で、登山口に常備されたノートに日付と名前、同行者数などを記入しておく方式。

 万一、遭難した場合に登山届が提出されていれば、どのコースを歩く予定なのか、警察にすぐに把握してもらえるので、迅速かつ効率的に救助してもらえる利点がある。従って手間はかかるが、なるべく登山届は提出しておきたい。専用の登山届用紙が常備されている登山届入れもあるが、切れていることもあるし、登山前に記入するのもおっくうだと思うので、自宅であらかじめ作成しておき(予定コース、スケジュール、同行者名、年齢、性別、血液型、連絡先、装備一覧などを記載する)、現地でポストインすると簡単。また登山届は、家族に渡しておく方法も確実だ。帰宅予定を過ぎても帰らない事態に一番早く気づくのは家族であり、家族の手元に詳細な登山届があれば、すぐに予定コース等の情報を警察に伝えることができるからだ。家族が知らなくても、現地の登山届にポストインされておれば警察に回収を依頼できるが、どちらにも登山届がなければ、救助に時間を要するのは間違いない。家族が登山中に不在にするようなことがなければ、家族に渡しておくのも確実な方法といえる。だが、そうでなければ現地の登山届を利用しよう。もちろん両方でもよい。

 ただ登山届入れの管理態勢は、山によっていろいろ。登山者が多いエリアでは、定期的に警察が回収してまわっているが、その一方、とりあえず形だけ登山届があっても、ここに入れても大丈夫か不安に覚えることも少なくない。



岩手県花巻市・早池峰山 河原坊登山口の登山者名簿箱



新潟県上越市・米山 水野林道登山口の登山者名簿箱と、中に入っている名簿(記入情報がわからないようにモザイク処理済み)



静岡県御殿場市・富士山 御殿場口に置かれた登山者ポスト

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高知県香美市・剣山地 峰越にある入山届提出箱



大分県佐伯市・傾山 払鳥屋コース登山口の登山届入れ





●標準的な登山届入れ
一般的な登山届入れの例。左は、八ヶ岳・みどり池入口のもの。箱の最下段は引出しになっていて、中に登山届用紙が入っている。この写真を撮影したとき、ちょうどパトカーが登山届の回収にやってきたところだった。ここの回収は定期的にしっかり行われているようだ。真ん中は、北アルプス・中房温泉前にあるもの。下には用紙も備えられている。右は長野県・尾高山登山口にあるシンプルなもの。


左は、何かを流用するのではなく、専用に作ったと思われる、しっかりした作りの登山届入れ(長野県 小浅間山・峰ノ茶屋)、ほか2点は市販のポストを利用したもので、これもよく見かけるタイプ。真ん中は宮城県・大土ヶ森登山口、右は北アルプス・餓鬼岳登山口にて。



登山届投入口の横に扉を開ければ登山届用紙と記入台があるタイプ。長野県栄村・苗場山 小赤沢登山口。


●登山指導所のような施設にある場合
人気登山口の中には、登山相談所のような施設が作られ、ここに登山届を提出するようになっているところもある。左は北アルプス・一の沢登山口にある登山相談所。右は八ヶ岳・美濃戸口にある登山補導所。


●最寄りの施設に置かれている場合
左は登山口近くに集会所玄関に置かれた登山届入れ(長野県 根子岳・峰ノ原高原登山口)、右は登山口にある温泉施設に置かれた登山届入れ。学校用の机を登山届記入用に利用してあった(飯豊連峰・長者原口 飯豊山荘)。


●変わり種の登山届入れ
ユニークな登山届入れを見かけることもある。左から丸型郵便ポストを利用したもの(北アルプス・大谷原登山口)、消防ホース入れを利用したもの(長野県 黒姫山・種池登山口)、電話ボックスを利用したもの(朝日連峰・野川口)、屋根付きの登山届入れ(岩手県 真昼山地・高下岳登山口)。ちなみに郵便ポストを利用した登山届入れは、ほかにも北アルプス・七倉登山口にある。廃物利用とはいえ、なかなか親切だと思ったのが、電話ボックス。これなら、雨の日でも記入しやすい。



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