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火山3 噴気口 秋田県湯沢市・泥湯など

撮影年月日:2008年6月12日など

 活火山は活動が平穏な時でも、もうもうと白い噴気を噴き出し、私たちは、これにより「生きた火山」であることを実感する。噴気というのは、地下水と地下の高温に熱せられた岩石がふれあって発生する水蒸気だが、その熱源もさることながら、供給される地下水も相当な量なのだろう。
 噴気口では、噴気に含まれる硫黄成分が、外気に触れて温度が下がり、美しいレモンイエローに結晶化していることも多い。阿蘇山では、そんな硫黄結晶をお土産として販売していたが、それほどの量を採掘できる場所がどこかにあるのだろうか。そういえば以前、ある火山の登山道に小指の先ほどの硫黄結晶が落ちていたことがあった。噴気口から自然に落ちてきたのではなく、登山者が噴気口から掘り取った残骸だったのかもしれない。
 ところで北アルプス・立山室堂の地獄谷には、有名な「硫黄の塔」がある。噴気によって積み上げられたもので、硫黄がどんどん重なっては、少し崩れ、再び重なる…ということを繰り返しているため、年によって高さや形が違う。しかし、いづれ完全に倒壊するのではないかともいわれている。下の写真は2006年に撮影したもので、あまり噴気は出ていないが、かつては塔の先端からもうもうと噴気が噴き出していた。ちなみに2007年に少し崩れて背が低くなり、さらに2010年には大きく崩壊して、見るも無惨な形に。でも噴気に含まれる硫黄成分が結晶化が進むに従い、やがて元に戻るだろう。



ものすごい噴気で視界も遮られる泥湯付近の県道(左)。那須・茶臼岳の西側中腹にある無限地獄(右)。


北アルプス・焼岳の噴気口に見られる硫黄結晶(左)。同じく焼岳の旧中尾峠。ここの岩陰からは、噴気というほどではないが、もわ〜と湯気が…(右)

北アルプス・立山室堂。その地獄谷に立つ硫黄の塔。バックに見えるのは剱岳(左)。2010年に崩壊してしまった同じ硫黄の塔(右)。



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山岳記