避難小屋 北アルプス・北ノ俣岳ほか
撮影年月日:2015年7月31日など
避難小屋とは緊急時に登山者が使用できるように造られた無人小屋のこと。不測の事態に陥った時、たとえ寝具がなくても雨露をしのげるだけでも心強い。また避難小屋を無料の宿泊施設として利用することも可能だし、好んで泊まる人もいるほどだ。もちろん食料やシュラフを持参する必要があるが、テントがいらないので荷物を軽くできるメリットがある。登山者で混雑することもないとはいえないが、そうでなければ、なかなか快適な一夜となる。
ひと昔前までは、窓もなく扉を閉じれば昼間でも真っ暗になる小屋もあったし、中には屋根や壁に穴が開いた、ひどい小屋も見られたが、最近は建て替えられて、きれいな小屋が増えた。私は日帰りの時でも避難小屋内部をチェックしているが、内部を見て一泊してみたくなった小屋も多い。
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庚申山荘のキャプションでも触れた通り、避難小屋と無人小屋の境界は曖昧で、名称に「避難小屋」が付かない無人小屋をどう扱うべきか悩ましいところではある。こうした無人小屋の中には設備もよくて営業小屋との違いは管理人の常駐有無しかないような小屋もある。とはいえ、登山コース途中にある無人小屋は、必然的に避難小屋としての機能も求められるため、広義には「避難小屋」に含めてもいいと思う。本サイトでは、今のところ、その辺を明瞭に区別してないので整理し直したい。おそらく登山口にある無人小屋は、どちらかというと緊急避難的な利用よりも、あくまで登山計画通りの自炊宿泊利用が多いと思われるので、あくまで避難小屋ではない無人小屋として、いずれ紹介ページを別途、新設したい。
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北アルプス・北ノ俣避難小屋。赤い三角屋根が特徴の、収容人数8名の小さな小屋。小屋の前には水が引いてあり、奥にはトイレもある。立ち寄ったあとに北ノ俣岳に登る途中、下ってくる同じ制服を着た女性2名に遭遇。これから北ノ俣避難小屋に向かうところだという。避難小屋の巡視や管理をしているらしくて、おそらく近くの営業小屋から来られたのだろう。午後になって下山時にも水を補給するため立ち寄った(登山コースから徒歩2〜3分ほど離れている)ところ、今夜の宿にする家族連れの登山者などが結構いて、もう定員ギリギリ。下山途中に出会った単独行の男性登山者も北ノ俣避難小屋泊の予定とのこと。現状の人数を伝えておいた。私は日帰り日程を強行したが、長丁場のコースだけあって、この避難小屋の価値は高い。従って意外と利用者は多い。
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北海道増毛町。暑寒別岳・箸別登山口に建つ箸別避難小屋。奥に別棟のトイレがある。すぐ手前まで車で行ける。位置付けは「避難小屋」ではあるが、登山口にあるので、緊急避難的な利用は少ないかもしれない。

吾妻連峰・谷地平避難小屋

大菩薩嶺・さいの河原避難小屋

広島県と島根県にまたがる比婆山連峰の出雲峠に建つ避難小屋。登る途中、新雪の表面に下ってくる一人分の足跡があったが、始点はこの小屋だった。小屋で宿泊した夜に降雪があったのだろう。撮影は2016年だが、この小屋は少なくとも約30年前にはあった。比婆山連峰といえば、昔は池ノ段にも避難小屋があったが、撤去されて今はない。

志賀高原・岩菅山にある岩菅山頂避難小屋。建てられたのは大正7年という古い小屋だが、おそらく石積みの壁面だけ再利用され、傷みやすい屋根などは時々、張り直しているのだろう。撮影は2017年で、改装して間もないように見えた。1995年に撮影した同小屋は下に掲載。
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岐阜県高山市。乗鞍岳・千町尾根の奥千町避難小屋。撮影は2000年だが、完成して間もないようだった。千町尾根経由で乗鞍岳登山をする場合。この避難小屋の存在価値は大きい。
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兵庫県新温泉町。上山高原の上山高原避難小屋。全線舗装された海上(うみがみ)林道沿いに建っている。撮影は2011年。

島根県大田市の三瓶山・男三瓶山山頂にある頂上小屋(避難小屋)。2016年撮影。開放的な立地で、ちょっと泊まってみたくなった。

愛媛県久万高原町・皿ヶ嶺の竜神平小屋。愛媛大学山岳会の施設。下に内部写真あり
●避難小屋の内部

吾妻連峰・谷地平避難小屋内部

皿ヶ嶺の竜神平小屋内部
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鳥海山・百宅(ももやけ)登山口にある大清水避難小屋内部。築20年を越えているが、中はきれい。薪ストーブまである。トイレは館内と外のキャンプ場にそれぞれある。外観写真は下に掲載(左)。南八幡平・三ツ石山荘内部。畳敷きというのは、実に気が利いた造りとはいえないだろうか。ここも蒔ストーブがあった(右)。
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北アルプス最北の山、白鳥山山頂に立つ白鳥小屋内部。2階建てで、トイレは少し離れた場所にあるが、倒壊しそうだった(右)。庚申山・庚申山荘内部。ここは避難小屋というよりも無人の山小屋的な位置づけの方が正しいかもしれない。写真のような一室もあり、普通の避難小屋よりも設備が充実している(右)。
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屋久島・白谷山荘内部。屋久島山岳地には営業小屋は一軒もなく、幕営も禁止されているので、奥岳を縦走する場合は必ず避難小屋にお世話にならなければならない。利用者が多いので中は比較的広く、水場・トイレも完備(左)。中央アルプス・池山中腹にある池山小屋内部(右)
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上に掲載した北アルプス・北ノ俣避難小屋の内部。奥の扉はトイレ(左)。同じく上掲載の志賀・岩菅山頂避難小屋内部。このときも午後の下山途中に登ってくるご夫妻がおられた。おそらく、この避難小屋泊まりの予定だったのだろう(右)。
●建設中の避難小屋
八幡平・陵雲荘の改築工事。陵雲荘は八幡沼の畔に立つ避難小屋(左・中とも)。建て替えのため秋田駒ヶ岳・阿弥陀池避難小屋の建設資材を運ぶヘリコプター。新しくなった小屋の写真は右下に掲載(右)。
●いろいろな避難小屋
※撮影時期が古いものも多く、現在は状況が変わっている場合あり
羊蹄山避難小屋(左)。ニセコアンヌプリ避難小屋(右)
白神岳避難小屋(左)。岩木山・鳳鳴ヒュッテ(右)
虎毛山避難小屋(左)。焼山避難小屋(右)
岩手山・平笠避難小屋(左)。八幡平・茶臼山荘(右)
早池峰山山頂避難小屋(左)。旧・小田越山荘(右)
小田越山荘(左)。西吾妻小屋(右)
蔵王連峰・刈田峠避難小屋(左)。蔵王連峰・刈田岳避難小屋(右)
三角屋根の北海道・天塩岳避難小屋(左)。利尻山避難小屋。小屋周辺の汚物汚染が問題となり、現在は緊急時のみ利用するよう呼びかけられている(中)。秋田駒ヶ岳・阿弥陀池避難小屋。屋根には太陽電池が設置され、きれいなトイレも並んで立っている(右)。
岩手県・五葉山のしゃくなげ荘(左)。鳥海山・大清水避難小屋。内部の写真は一番上に掲載(中)。蔵王連峰・刈田岳避難小屋。壁面に石がびっしり組まれた丈夫な造り(右)。
南八幡平・三ツ石山荘(左)。庚申山・庚申山荘。上でも説明したように避難小屋というよりも無人の山小屋という方が実態に近い(右)。
栃木県・鬼怒沼巡視小屋。東京電力が登山道巡視のために建てた小屋で、避難小屋としても利用できる(左)。志賀・岩菅山頂避難小屋。1995年撮影。最近の写真は上に掲載(中)。カマボコ型の谷川連峰・茂倉岳避難小屋。写真は先代の小屋で、1989年撮影。新しい小屋は木造で、外観はがらりと変わっている。ちなみに谷川連峰・一ノ倉岳避難小屋も同じカマボコ型(右)。
谷川岳の天神尾根にある熊穴沢避難小屋。2003年撮影(左)。北アルプス・高瀬渓谷の名無避難小屋。入口には確かに「名無避難小屋」とあり、「名無」という名前があるのに「名無」とはこれいかに? 全国でもここだけというパラドックス的な避難小屋(笑)。付近の名無沢という名の沢名に由来する。2018年撮影(右)。
田代山・田代山避難小屋(弘法大師堂・左)。富士見台高原・神坂小屋(右)。
袈裟丸山・小丸山避難小屋(左)。南木曽岳・南木曽岳避難小屋(右)
八ヶ岳連峰・硫黄岳山頂の避難小屋(左)。長野県・霧訪山(きりとうさん)中腹に立つカラー鉄板で造られた手作りの避難小屋(右)
小松原湿原・小松原避難小屋(左)。大山・六合目避難小屋(右)
氷ノ山山頂避難小屋(左)。氷ノ山越避難小屋(右)
奥多摩・雲取山避難小屋(左)。大山・頂上避難小屋(右)
●避難部屋
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避難部屋という呼び方が正しいかどうかは知らないが、本来は別の目的がある山岳地の施設に避難小屋機能も持たせて緊急時に避難できる部屋が設けられていることがある。富士見台高原の萬岳荘という素泊まりができる長野県阿智村村営の山小屋(左)にある避難部屋(右)。撮影は2012年。
同様の施設は、蔵王連峰・刈田岳山頂にある蔵王山頂レストハウス(上右)や栗駒山・いわかがみ平レストハウス(上右)などにもある。同レストハウスの避難部屋入口(下左)と内部(下右)。いわかがみ平レストハウスの避難部屋入口には、「避難小屋入口」と書かれていた。撮影は2007年。
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