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水場 北海道・後方羊蹄山ほか

撮影年月日:1995年7月21日など

 説明するまでもないが、水場とは飲料水を補給できるポイントのこと。水場が途中にあれば用意する飲料水が少なめでも補給できるから荷物を軽くできるメリットがある。しかし季節によって涸れていることもあるので注意が必要だ。
 水場は登山コース途中のほか、山小屋や幕営指定地近くにあることもある。時には数分とか十数分とか離れていることもあって、そんな時はボトルなどをもって往復しなければならない。いづれにしても水場は山では貴重な場所なので、残飯やゴミで汚さないようにし、当然ながら洗剤を使わないのがマナーだ。
 どこの水場も大抵は塩ビの水道管などを利用して水をくみやすいようにしてあり、その上、なぜかコップが常備されていることも多い。現場におきっぱなしのコップを使う気はしないけどね。
 蒸し暑い山で、予想以上のペースでドリンクが減っていき、やがて最後の一本も飲み尽くしてしまったことがあったが、そんな時に水場で何度助けられたことか。一度だけ、持参したドリンクが山頂でなくなってしまい、中腹にある水場まで喉がカラカラになりながら下ったこともあった。その時は、やがて見えてきた水場が、まるで砂漠で出会うオアシスのように輝いて見えた。また白神岳山頂の水場は、山頂近くなのに驚くほどの水量が湧き出していてびっくりした。しかも真夏だったのに水は冷たくておいしかった。日本の山のいいところは、そのまま飲めるほど水質がいい水場がほとんどということだろう。エキノコックス汚染の恐れがあって、そのまま飲めない水場もある北海道の山のような事態にならないように願うばかりである。
 水場で飲料を補給する時は、そのまま水をドリンクにするのではなく、スポーツドリンクの粉末を用意しておき、水場で水に溶かしてドリンクにするといい。



丹沢山系・大倉尾根の水場は、まるで民家の水道みたい。撮影は1985年なので、今はないだろうけど(左)。奥多摩・石尾根の水場は柄杓で受けていた。これも1980年代撮影(中)。秋田県・秋田駒ヶ岳(右)


北海道・後方羊蹄山(左)。屋久島・白谷山荘前。さすがに屋久島は水量豊富だ(中)。尾瀬ヶ原・鳩待峠〜山の鼻間(右)


長野県・中西山の京清水。ここは、渓流がそのまま水場になっている(左)。長野県・太郎山(中)。八ヶ岳・オーレン小屋前にあるオーレン強清水(こわしみず)(右)


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