Nature
山岳記
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日本三大崩れ 安倍奥・大谷崩ノ頭+富士山

撮影年月日:1998年11月11日+2002年9月25日

 山の斜面が崩れた場所のことを崩壊地と呼ぶが、中でも「大谷崩れ」(静岡県)、「鳶山崩れ」(富山県)、「稗田山崩れ」(長野県)を日本三大崩れという。私が現地を訪ねたことがあるのは、そのうち「大谷崩れ」だけだが、崩壊地の巨大さと砂防ダムを埋め尽くす膨大な量の岩に唖然とした。崩壊したのは今から300年前の宝永4年(1707)のこと。大地震により、山の斜面が高さ800mに渡って崩れ、これまでに約1億2000万立方メートルに及ぶ土砂が崩れ落ちたという。今も崩壊を最小限にくい止めるための大規模な工事が行われており、「日本三大崩れ」たる所以も理解できる。
 なお「日本三大崩れ」には入っていないが、富士山の「大沢崩れ」も有名。ここも巨大な崩壊地で、岩が落ちる音が時折聞こえてくる。




大谷崩れと大谷崩ノ頭(上左)。安倍奥の最高峰・山伏の北東に位置する。砂防ダムを埋め尽くす多量のガレ(上左)。ガスが出てわかりにくいが、富士山の大沢崩れ(右)



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