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山の自動カメラ 長野県川上村

撮影年月日:2018年10月22日

 その昔(1970年代末〜1980年代初め頃かな?)、写真家の宮崎学氏が自動カメラで撮影した野生動物の写真を初めて見た時、「そんな方法があるのか」と斬新なアイデアに感心したことを覚えている。当時は市販のセンサーカメラもカメラ用のセンサーも一切なかったので、光学機器メーカーと共同開発されたらしい。しかもカメラといえばフィルムカメラしかないわけで、撮影枚数も限られる。フィルム交換のために頻繁に足を運ぶ必要もあったはずだ。

 しかしあれから数十年。近年はセンサー内臓の自動カメラが市販され、当然のことながらデジタルなので、記憶媒体の容量次第とはいえ、フィルムカメラとは比較にならないほど多くのコマが撮影できるようになった。トレイルカメラという名称で検索すれば、安いものだと数千円くらいから、いくらでもヒットする。こうしたトレイルカメラは様々なフィールドにおける調査でもよく利用され、時々、登山道沿いなどでシカやクマの生息調査等の目的で設置されているのを見かけることがある。

 ほとんどの場合、設置目的や設置者(主に公的機関)、連絡先の電話番号が書かれ、「この装置に触らないでください」などの注意書きが添えられている。以下に私が過去に山などで見かけた自動カメラの写真を掲載しておくが、設置者やその連絡先などの部分は念のためモザイクをかけておいた。また、こうした調査に支障があってはならないのでピンポイントの撮影場所も書かないことにした。これらの情報を悪用する人はいないと思うし、写真からは読み取れないだろうけど。

 ちなみにうちの裏の竹藪には、時々、タヌキ、アナグマ、イタチ、シカなどの野生動物がやってくる。なので自動カメラを設置しておけば、撮影するのは容易いと思う。ただ、どうせ撮るのならトレイルカメラではなく、デジタル一眼レフカメラをセンサーにつないでストロボ同期のシャッターが切れるようにして、宮崎氏と同レベルな写真は無理にしても、手抜きせずに撮ってみたいという願望がなきにしもあらずである。撮影用のセンサーは昔から持っているし、リレー回路を利用すれば、市販の人感センサーでも流用できると思うが、カメラハウジングは自作する必要がありそう。




長野県川上村の某山で見かけたシカの生息調査のために設置された自動カメラ。



北海道・礼文島の遊歩道入り口にも自動カメラ。このカメラは入山者カウンターと一緒に設置され、利用者を撮影するためとの説明書きが添えられていた。



これも北海道。雨竜沼湿原で2013年に見かけた自動カメラ。設置目的等は書かれていなかったが、やはり野生動物の調査のためだろう。



尾瀬の木道に置かれた自動カメラ。ツキノワグマの生息調査のためらしい。撮影は2012年。



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