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山で見かけた変わったもの10
~聴診器~ 青森県鰺ヶ沢町・ミニ白神

撮影年月日:2005年7月8日

 鰺ヶ沢町のミニ白神は、世界自然遺産に登録された白神山地と同等の森林景観を手軽に楽しめる場所で、手つかずのブナ林の中に遊歩道が整備されている。現在は「白神の森遊山道」という名称に変わっているが、まだ旧名だった頃に2度訪問した際、途中に写真の木箱があり、中に聴診器が入っていた。

 箱には「ブナの木が水を吸い上げる音が聞こえるかも!」と書かれ、聴診器を幹に当て音を聴くことができるようになっていた。その少し前くらいからだったと思うが、ブナに聴診器を当てると「ゴー」という音がするので、これは水を吸い上げる音ではないかといわれていた。それを知り「へぇーそんな音がするのなら、ぜひ聴いてみたい。でも、わざわざ聴診器を買ってまでして聴くのもなぁ」と思ったりしていた。そんな時にミニ白神で出会ったのが、この箱だった。

 これ幸いと箱の聴診器を借りて聴いてみた。確かに「ゴー」という音が聞こえた。ただ、音源については、本当に水を吸い上げる音なのだろうか、とちょっと思った。また音の周波数を調べれば、ある程度のことはすぐにわかるのではないか、と思ったりもした。今回、改めて検索すると、日本植物生理学会のサイトにその答えが書かれていた。

みんなのひろば ブナが水を吸う音は聴こえるのか?

 それによると「樹液流の平均流速が、時速数センチなので、いわゆる渓流のような感じで音はしないため、吸う音は聞けない。聴診器で聞こえる音は風で枝がこすれる、幹そのものが振動する音と思われる」とのことである。たとえそうであったとしても聴診器を使わなければ、その音を聴くことができないので、この箱はとてもいいアイデアだと思う。




ブナ林に設置された木箱の中には聴診器が何個か入っていて、借りて聴くことができるようになっていた。


木箱の外観(左)。借りた聴診器をブナの幹に当てて音を聴いてみた(右)



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