デポ旗 群馬県みなかみ町・谷川岳
撮影年月日:1995年4月18日
積雪期に森林限界を越えると、時に目標になるものが何もないことがある。ホワイトアウトでもしようものなら、もうお手上げ。そんな時の心強い味方が、デポ旗だ。例えば、下山ルートの分岐点に立てておけば、降雪でトレースが消えても非常にわかりやすい。ほかに雪庇などの危険箇所の目印にもできる。ひょっとすると市販品があるかもしれないが、通常は自作する。旗自体は目立ちやすい赤い布。支柱は竹などを利用する。強風で布が飛ばないようにしっかりと支柱に取り付けたい。
…とあたかも自作経験者であるかのようなことを書いてしまったが、私自身は自作したことも持参したこともない。また持参しなかったことを後悔したこともなく、冬山で稀に立てられているのを見る程度だ。私の場合。山に行く目的は主に写真撮影なので、冬山はなるべく天気がいい時しか行かなかったし、冬山以外は友人と登ったりもしたが、冬山では基本単独行だったこともあり、デポ旗が必要になるほどの、リスクがある計画は、なるべく避けてきたことが大きい。
というか、このデポ旗という名称。これ割と近年(2000年代以降?)の命名じゃないのかな。例えばうちの本棚にある1985年刊のヤマケイの登山入門書には、冬山の道迷い対策として、どこにもデポ旗という言葉は出てこず、「赤布を結んだ篠竹」としか書いてないし、私が冬山に足を運んでいた80年代~90年代に聞いたことすらもない。読みは「でぽはた」だろうが、検索しても、どこにも書いてなかった。
ちなみに30年前の4月に単独行で谷川岳に登った時。途中の尾根ルート上にデポ旗が点々と立てられていた。おそらく当時は「デポ旗」ではなく「赤布で自作した旗」として設置されたと思う。現地関係者が登山者の安全確保の目的で立てたものと思われる。一帯は比較的なだらかな地形で、天候が荒れて視界が悪化すればルートを外れる可能性があるからだろう。今はGPSがあるので、昔に比べればリスクは減ったが、それでもピンポイントの目印を打てる意味は大きい。ただ、支柱はある程度の長さが必要で、持ち運びは、結構めんどうかもしれない。また自分が立てたデポ旗は、帰路に回収するのがマナーだろう。
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谷川岳山頂手前。天神尾根の斜面に点々と立てられていたデポ旗。
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