|
|
左写真:いい匂いがした「高山植物」。入っていたのは、クロユリ、ミネウスユキソウ、コマクサ、キバナシャクナゲ、ウルップソウの絵はがき。このうちコマクサとウルップソウは中央アルプスには自生していない。しかも中央アルプスであれば、真っ先に固有種のコマウスユキソウを入れるべきだが、それもなし。あくまで「高山植物」であって「中央アルプスの高山植物」ではないのだから、仕方ないか。ちなみにコマウスユキソウが、明治13年8月に木曽駒で発見された時は、ヒメウスユキソウと命名され、この絵はがきが制作された当時すでに認識されていたのは間違いない。ただ、ミヤマウスユキソウと同種とされた時期もあり、中央アルプスだからといってコマウスユキソウを入れるべきかは微妙なところではある。今回、ハガキ宛名面のいくつかに上松駅などのスタンプが押されていることに初めて気づいた。中央アルプスで買ったのは間違いなさそうだ。右写真:同じく中央アルプスで買ったと思われる「中央アルプス」。おそらく別の時期に買ったものだろう。こちらにもコマウスユキソウの写真はない。
|
|
|
左写真:ケース裏側には「定価200円」と「郵便料金 一枚で送る場合…20円」とある。ネット検索すると、ハカギ料金が20円だったのは昭和51〜56年らしい。おそらく高校の修学旅行で買ったもののようだ。ちなみに一枚目は四十八池のミズバショウ群生と志賀山の写真で、湿原上にびっしりと咲くミズバショウが写っているが、近年はこんなに群生せず、しかも花も小形化している。そのため、かつてはこんなに咲いていたという事実が、意外に感じる半面、時間経過とともに湿原がより高層湿原化して、低層湿原エリアが狭まっていると考えれば当然の結果ともいえる。右写真:「志賀草津高原ルート」。これも修学旅行の時に買ったものかも。
|
|
|
左写真: 「ALPENRUTE 立山黒部縦断」も写真が比較的新しいので、昭和50年代のものかも。やはり高校の修学旅行で買ったのだろう。定価150円。右写真:中身を見て、一瞬ギョッとした「想い出の花」。「実物標本」とある通り、中身は下の写真のように実物の植物標本を貼り付けて作られている。表側がハガキ仕様になっているとはいえ、これも絵はがきの範疇に入るかどうかは微妙なところではあるが、ついでに載せておく。どちらにしても今なら確実に物議を醸す可能性がある商品だ。しかし、貼られているのはニリンソウ、ハルリンドウ、マイヅルソウ、チゴユリ、そしてなぜかコウヤノマンネングサの5点。ケース表面の高山風景イラストとは異なり、中身は高山植物ではなく山地性の種類ばかり。購入時期は不明だが、黒部ダムで買ったのだろう。その当時の高山植物に対する保護意識がどうだったかもわからないが、山地性の植物標本ならば、あまり目くじらを立てるほどのことではないかも。
|
|
|