<<前のページ | 次のページ>>

山関係コレクション4・毬果

撮影年月日:―

 毬果(きゅうか)とは、球果とも書き、マツ科のマツ属やモミ属、トウヒ属、スギ科スギ属、ヒノキ科ヒノキ属などの樹木が作る、まつかさ状の果実のこと。一般的には「松ぼっくり」の方がわかりやすいかも。

 日本では、アカマツやクロマツのそれが最も目にしやすいが、1980〜1990年代、より広範囲の山に足を運ぶようになって、それ以外の毬果が道端に落ちているのを見かける機会が増えた。毬果といっても、当然のことながら大きさや形態は様々。その多様性がおもしろいと感じ、拾い始めたのがきっかけとなって、ちょっとしたコレクションになった。日本産全種の毬果をすべて収集しようという野望は一切なく、見かけたら拾った程度だが、その後、下記に触れる内容も少し念頭にあって拾うことはなくなった。
 当時から現在に至るまで、主に筒状ガラス容器(コルクの蓋付き)3本に入れて保管。山岳地ばかりではなく、世田谷の公園や横浜の市民の森で拾ったものも混在しているほか、両親がブラジル居住中にホテルの庭で拾って持ち帰ってくれた、日本では見たこともない巨大毬果も複数所有している。

 ただし、国立公園や都道府県指定の自然公園の特別地域、あるいは国有林などでは、落ち葉ひとつでも持ち帰ってはいけないことになっており、山で毬果を拾う際には注意が必要である。私が山で拾った際も厳密にこれらの規制の有無を確認しているわけではないし、そもそも正確な採集地点どころか、大雑把な場所の地名でさえ、もはや記憶が曖昧だ。
 おそらく、ほとんどは問題ないだろうと思うが、一部規制エリア内だったかも…と今となっては想像するものもある(申し訳ございません!! 必要ならいつかご返却に参ります)。また当時はOKでも現在は不可になっている可能性もあるので、念のため指摘しておきたい。



私の毬果コレクション。樹種は、アカマツ、クロマツ、ツガ、トウヒ、カラマツ、オオバヤシャブシ、ヒメヤシャブシ、スギ、サワラ、ラクウショウなど。ヤシャブシのなかまは、正確には堅果だが、形態が毬果っぽいので、とりあえずまとめて撮影。



大きな毬果5点は、ブラジル産(種名不明)。右上2個は、たぶんドイツトウヒ。右下2点は日本産じゃないかと思う。記録をとっているのは一部なので不明だが、右端はチョウセンゴヨウかな?



毬果以外の果実も少しある。樹種は、トチノキ、クリ、コナラ、スダジイ、ブナ、ソテツなど。中央の勾玉みたいなものは、カシューナットノキの果実で、中に入っている種子がカシューナッツだ。この下に赤や黄色に熟する、果実のように見える果柄が発達する。ブラジル・マナウスの露天で1986年に購入したもの。




 CONTENTS 
 
   
 

Nature
山岳記