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ゼロ磁場 長野県伊那市・分杭峠

撮影年月日:2008年10月21日

 長野県伊那市にある分杭峠(ぶんぐいとうげ)は、テレビなどで強力なパワースポットとして何度も取り上げられたこともあり、今や休日になると峠道は規制され、麓からシャトルバスが運行されるほどの人気ぶりである。私は2008年秋、たまたま取材中に分杭峠を通る機会があり、立ち寄ってみたのだが、その頃はまだほとんど知られていなかったこともあって、わずかな観光客がいるくらいだった。

 現地に立つ説明看板によると、分杭峠は大断層の中央構造線上にあり、断層の両側から押し合う力によりエネルギーが蓄積するが、部分的にはエネルギーがないゼロ磁場も生まれ、不安定な物質を安定させてバランスを取る気が発生する「気場」になっているという。つまり、ここを訪れると身体にいい、ということらしい。
 「サイ(気)はラジウム等放射性物質原子の原子核内の不安定な中性子に直接働きかけて、γ線などの…」と説明されても、わかったようなわからないような、いや、もっと率直にいわせてもらえば、なんとなく怪しくも聞こえる。だが説明文を監修しているのは、電気通信大学名誉教授の先生。う〜ん、正直何ともいえんな。ただし「気」というものを私は否定しない。科学的に証明されていない「疑似科学」といってしまえば確かにそうかもしれないが、かといって否定もできないと思うんだよね。鍼灸術は科学的にすべて解明されているわけではないと思うが、経験上確かに効果があると広く認識されている。これと同じ可能性もあるのではないか。
 それに随分前のことだが、今でいうサイエンス・ゼロみたいなNHK教育テレビの科学番組で「気」について検証実験をやったことがあって、その結果が驚くべき内容だったことも影響している。それは空気の流れを遮断した密室で、火を付けたロウソクを等間隔で10本くらい縦一列に並べ、間に置かれた大きなガラス越しに気功師が気を発すると、その瞬間、手前から順々にロウソクの炎がゆらいだのである。気功師の動きはゆっくりで、しかもガラス越しだから気づかれないように息を吹きかけることも不可能である。つまり、ガラスを通り抜けて炎に影響を与える物理的な何かが気功師から発せられていると考えざるを得ない結果だったのである。

 それはさておき実際にゼロ磁場に行ってみた感想。峠の駐車場から少し降りた林の中にあり、斜面に置かれたベンチに座って目を閉じてみた。確かに何かが違うといえば違うし、違わないといえば違わない。というか、座って1分も経たないところで先に来ていた60代くらいの男性に持っていたカメラに興味を持たれ、自分もニコンのカメラを持っているだの、君は何を撮っているの?だのと、いろいろ話しかけられて集中できなかったこともあって、余計に実感できなかったということもあるかも。ああいう場所でしつこく話しかけてくる無神経ジジィも困ったもんだぜ!!


ここが、分杭峠のゼロ磁場ポイントだ。著名な中国人気功師を招いて探してもらったところ、中国のゼロ磁場に匹敵する当地が見つかったという。



ベンチに座ってみると、こういう感じ



入口に設置されていた解説板



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