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山梨県某所で見かけたアオチドリ

林の中に生える地味なラン
アオチドリ

ラン科
Coeloglossum viride 
var. bracteatum
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 ランのなかまには、ホソバノキソチドリやコバノトンボソウ、クモキリソウなどのように地味な花をつける種類も多いが、このアオチドリの花も同じように地味な部類に入る。漢字では「青千鳥」で、緑色の花を千鳥に見立てた命名だ。北海道、本州中部以北、四国に分布し、湿った林内にひっそりと咲く。写真の個体はひょろりとしているが、もっと茎が太くて多数の花をつけた、がっしりした感じの個体に出会うこともある。
 写真は山梨県某所にある、ほとんど無名の渓谷で撮影したもの。ある本に、その渓谷では珍しいランがあると書いてあり、また別の情報でもそこは貴重なランの自生地との話もあったので、確度が高いと判断してダメもとで確認に出かけたのだ。しばらく探し回ったが、結局目的のランはさすがに見つからなかった。その代わりにアオチドリが咲いていた。別にうれしくもなかったけど何の収穫もないよりもマシと撮影した。

 
  
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植物記