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北八ヶ岳などで見られる森林更新
縞枯現象

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 縞枯現象というのは、主に北八ヶ岳でシラビソなどの樹木が帯状に枯死する現象で,特にそれから名前がついた縞枯山の山肌では顕著に見てとれる。立ち枯れ木の下には幼樹がたくさん生育していることから森林更新の一種と考えて問題ないようだが、立ち枯れの原因はまだはっきり判明していないという。現在のところ卓越風(季節など、特定の期間に吹く最も頻度が多い風向の風のこと)の風衝側にあたることから卓越風によって木が揺れて木にストレスがかかるなど複合要因が重なり枯死するものと考えられている。確かに以下に掲載した3点の縞枯現象の写真はすべて風衝側にあたる山の南西側だ。最もはっきりしているのは北八ヶ岳だが、ほかにも八甲田山系、奥日光、奥秩父、南アルプス、大峰山系などでも小規模な縞枯現象が見られるとか。また縞枯れは年間1.6〜1.7mのスピードで下から上へと移行していくという。



北八ヶ岳・茶臼岳山頂から望む縞枯山の縞枯現象。木が立ち枯れて帯状になっている(左)。縞枯現象調査のため縞枯山登山道から切り開かれた道(右)。どちらも1987年11月。



縞枯山荘付近から見た雨池山の縞枯現象。2003年9月(左)。蓼科山の縞枯現象。1989年11月(右)。



  
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Nature
植物記