身近に生える春の野草
ホトケノザ
シソ科
Lamium amplexicaule
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ホトケノザは、北海道を除く日本全国に分布する、ごく身近な野草。春、赤紫色の花をつんと立てる。花は唇形花で、赤い斑点がある下唇の先は2列して突き出しているが、これは昆虫が訪れた時の足場の役目を果たす。花の下部は管のようになり、この中には蜜がたっぷり貯まっている。名前は対生する葉を蓮座に見立てたものだが、春の七草でいうホトケノザは、本種のことではなく、キク科のコオニタビラコのことだ。
市街地から里山まで、道端や畑などでよく見かけるが、一度だけホトケノザの大群生を見かけたことがある。群馬県榛名町で車を走らせていたら、ピンク色に染まった空き地に遭遇。何の花だろう。車を降りて確かめるとホトケノザだった。これほどの大群生を私は初めて見た。
群馬県榛名町で見かけた空き地にびっしりと咲くホトケノザ。
ホトケノザ花期草姿。広島市
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ホトケノザ花期群生。広島市
花のアップ。上唇の中に見えるのが雄しべと雌しべ(左)。花の断面(中)。蕾もよく見ると、おもしろい形をしている。まるでベレー帽を被っているようだ(右)
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