周北極要素の代表例
コケモモ
ツツジ科
Vaccinium vitis-idaea
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ツツジ科スノキ属の常緑矮小低木。北海道~九州の亜高山帯~高山帯のハイマツ林下や草地、岩場などに生えるが、九州や四国では稀。また富士山では、標高1000メートルくらいから見られ、五合目あたりには特に多いという。一方、世界的に見ると北極周辺の高緯度地方に分布する周北極要素の植物の代表例として知られ、基準標本産地はヨーロッパ。一説によると、北半球の高山に登れば、必ず見られるほどに広く分布する植物とのことだ。苔のように密集して生え、赤い果実を桃に見立てて「苔桃」と命名された。
高さは5~20センチ。茎は細く直立する。葉は長さ1~3センチほどの長楕円形または倒卵形。皮質で光沢をもち、裏面には腺点があり、互生して密につく。6~7月に枝先に総状花序を出し、白色または淡紅色の鐘型の花を下向きに咲かせる。花冠は長さ4~6ミリほどで、先が4裂して反り返る。また短い花柄には2枚の小さな苞葉をもつ。
花のあと(8~10月)に径5~7ミリの球形の液果となり、赤熟したものは生食も可能で、甘酸っぱくておいしい。そのためジャムや果実酒などにも利用される。
高山帯という過酷な環境に生えるにも関わらず、常緑という点に注目したい。つまり冬でも葉を落とさないのだ。
ちなみにスノキ属には、やはり果実が食べられるクロマメノキもある。またブルーベリーやビルベリー、クランベリーも同じスノキ属である。

北海道の羊蹄山で撮影したコケモモ。もっと赤みの強い花をつけた株も見かけた。

赤熟した果実。北海道・羅臼岳にて。
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