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暖地の海岸砂地に生える
ハマオモト (ハマユウ)
ヒガンバナ科
Crinum asiaticum
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 ヒガンバナ科ハマオモト属の多年草。別名ハマユウともいう。主に黒潮に面する暖地(関東地方以西の本州~琉球諸島)の海岸砂地に生える。国外では中国や台湾の東アジアからマレーシアやインドなどの南アジアまで分布する。分布の北限をハマオモト線と呼び、年平均気温15℃の等温線と年最低気温の平均-3.5℃の等温線とほぼ一致するという。これは多くの暖地性植物の北限にも当てはまるそうだ。日本の分布北限は神奈川県横須賀市の天神島で、県の天然記念物に指定された自生地は天神島臨海自然教育園内にあり、見学できる。

 常緑の葉が、キジカクシ科のオモト(万年青)に似ていることから命名された。別名の方は、白い葉鞘をコウゾから作った木綿(ゆう)、あるいは木綿でできた神事で用いられる幣(ぬさ)に見立てたとされる。

 根元から立ち上がる太い茎に見えるのは多肉質の葉柄が重なった偽茎。葉は長さ30~70センチで先はとがり、葉質は厚く光沢をもち、基部は鞘状。6~9月に花茎を立ち上げ、高さは50~80センチになり、先に散形花序を作る。花は白色で花被片は長さ7~8センチの線形で6個。下部は合着して筒状。花には芳香があり、特に閉じる前の夜が強いとされる。果実は直径3~4センチの球形の蒴果で、熟すと割れる。果実の中に数個の種子があり、種子はコルク質の種皮に包まれ水に浮き、海流にのって運ばれる。




6月下旬。伊豆半島の三穂ヶ崎に咲いていたハマオモト。



花序。花糸と花柱は糸状で上部は赤紫色。屋久島・永田いなか浜。



花被片は細く、花糸の赤紫色と相まって繊細で美しい。同じく屋久島・永田いなか浜で撮影。



  
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植物記