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根生葉が羽状複葉だと知ってました?
ミヤマダイコンソウ
バラ科
Geum calthifolium var. nipponicum
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 バラ科ダイコンソウ属の多年草。本州・中部地方以北の高山帯や大峰山系、石鎚山の岩場や砂礫地に生える。高さは10~30センチになり、直径10~12センチほどの円形をした根生葉が目立つ。一見しただけでは単葉に見えるにも関わらず、図鑑には「頂小葉」という記述が決まって出てきて困惑する人も多いのではないか。厳密にいうと本種の根生葉は羽状複葉で、一番目立つのが頂小葉。側小葉は微細で目立たないだけなのだ。頂小葉はやや3裂するが、まったく切れ込まないこともある。縁には不揃いの鋸歯が取り巻き、表面には光沢がある。一方、茎葉は3~4個が付き、茎を抱く。

 7~8月に直径2センチほどの黄色い5弁花を咲かせる。花弁の先はへこみ、雄しべは多数。果実はそう果。秋には紅葉する。

 名前は「深山大根草」で、先にも書いたようにバラ科ダイコンソウ属に属する。あれ? 大根ってアブラナ科じゃなかったっけ。はい。まったく無関係ですね。例えばミズバショウのように科が違っていても「見た目が似ている」というだけで和名が付けられた例が割とあり、ダイコンソウも根生葉がダイコンの葉に似ていたために名付けられた。分類学的に関連性はまったくない。




乗鞍岳・畳平の砂礫地で見かけた本種の群落。



高山植物には本種と同様に黄色い5弁花をつけるミヤマキンバイなどもあるが、葉を見れば区別は容易。本種の根生葉は円形で光沢があり、不揃いの鋸歯があるのが特徴。秋田駒ヶ岳で。



秋には根生葉が鮮やかに紅葉する。涸沢で10月初旬に撮影。



  
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