東北地方南部の高山に分布
ナンブタカネアザミ
キク科
Cirsium nambuense
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ナンブタカネアザミは、キク科アザミ属の多年草。漢字で書けば「南部高嶺薊」。本州・東北地方南部の、栗駒山、飯豊連峰、鳥海山、月山、朝日連峰の高山帯に生えるが、月山では標高1450mの弥陀ヶ原にも見られる。基準標本の産地は飯豊山。
高さは20~50センチで、茎葉は羽状に中裂~深裂し、裂片の先に出る刺は鋭い。また茎葉の基部は茎を抱く。8月、上向きまたは横向きに1~4個の大型頭花を付ける。総苞は広鐘形で粘らず、総苞片は長く直立するので、タチアザミに似る。花期にも根生葉が残る。
下の写真は、初めて月山に登った時に撮影したもの。弥陀ヶ原の開放的な湿原景観に気をよくし、本種などの花の撮影にも時間をかけたせいで、山頂へ向けてスタートする時間が遅れた。なんとかガスがかかる上に風も強い山頂に立ったところで、初見のミヤマウスユキソウに遭遇。マクロレンズを向けて風が止んだ瞬間にシャッターを押すが、どうもちゃんと撮れている感じがしない。それに満足できずに粘ったためにさらに時間がかかった。
登ってくる登山者がほとんどいない時間帯に少々焦りながら下山。もう薄暗くなりかけた頃、ようやく弥陀ヶ原の木道が見えてホッとするが、その安堵感を打ち砕くかのように、いきなりものすごい勢いで雨が降り出す。土砂降りの中、八合目駐車場に停めた車に逃げ込んだ。ナンブタカネアザミといえば、その時のことを思い出す。
月山・弥陀ヶ原に咲くナンブタカネアザミ。撮影は1993年。
岩手県一関市・栗駒山の地獄谷で。蕾の総苞片に注目。
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