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奈良県の大峰山脈に由来する
オオミネテンナンショウ
サトイモ科
Arisaema nikoense subsp. australe
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 あちこちの山で初見のテンナンショウと出会う度に一応は撮影しているが、それをひとつひとつ同定するのは、正直気が重い。そもそも同定に手間がかかるということもあるが、仮に種名がわかったところで、その写真をどこかのクライアントが使ってくれる可能性も低い。せいぜい本サイトで使えるくらいである。なので手元には未同定のままのテンナンショウ写真が結構あるのだが、本種は割とあっさり同定できた。
 奈良県南部(一部は和歌山県)にのびる大峰山脈の名前を冠したテンナンショウで、近畿地方南部のほか、富士山周辺にも隔離分布しており、分布域からある程度、絞り込みやすいからだ。
 葉の形態は、本州東北地方南部〜中部地方に広く分布するユモトマムシグサにも似るが、仏炎苞が紫褐色(ユモト~は緑色)をしているのは、わかりやすい区別点といえる。
 近畿地方では、大峰山脈や台高山脈などにあり、写真は大台ヶ原で20年前に撮影したもの。登山道沿いに点々とあった記憶がある。



オオミネテンナンショウの付属体には、紫色の斑がある。奈良県上北山村・大台ヶ原。



  
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