空に向かってのびる「らせん階段」
ネジバナ(モジズリ)
ラン科
Spiranthes sinensis
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盗掘や自生地の開発などによって、見る機会が減っている日本産ラン科植物にあって、それでも比較的よく目にするのが、このネジバナ。身近な草地にも生えるので、見かけても「ネジバナが咲いてるな」と思うくらいで、たいして気にとめることもない。そんな花だ。
ところで野草の花を実体顕微鏡で観察すると、いつも非常に細やかな造形に舌を巻くのだが、このネジバナも例外ではない。花は幅5〜7ミリ程度しかないが、顕微鏡の照明を浴びて輝く姿は、まるでガラス細工のよう。「遺伝子のなせる技」といってしまえば、それまでだが、なぜ自然が作り出すものは、こうも美しいのだろう。
名前はいうまでもなく、花序がねじれているから。別名のモジズリは、捩れ模様(もじれもよう)の絹織物に見立てたものだ。その姿は、まるで空に向かってのびる「らせん階段」のよう。植物がねじれるのは、フジやヤマノイモを例に出すまでもなく、よく見られること。だがフジやヤマノイモのつるの巻き方は決まっているが、ネジバナは一定しておらず、右巻き、左巻き両方ある。
西伊豆スカイラインの駐車場わきの草地に群生していたネジバナ
ネジバナの花序。右から2本目だけ巻き方が違うのがわかる。横浜市にて
花のアップ。まるで繊細なガラス細工のように見える。同じく横浜市
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