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紅色に縁取られる花冠は滅多にない
ツマトリソウ
サクラソウ科
Trientalis europaea
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 サクラソウ科ツマトリソウ属の多年草。北海道、本州、四国に分布。亜高山帯の草地や林縁に生える。高さ10〜20センチ。葉は広披針形で、茎の上部に輪生状に集まる。
 6〜7月、上部の葉脇から花柄を出して、直径1.5〜2センチの花冠を上向きに1個、時に2個を付ける。離弁花のように見えるが、花冠が7深裂(時に6、8裂することも)して、各裂片は重なり合うように配置されている。裂片と雄しべの数は同じ。
 漢字では「褄取草」で、花冠裂片の縁に紅色の縁取りがあることから、これを鎧の褄取り威(つまどりおどし)に見立てた。ただし、ほとんどの個体の花冠は純白色で、紅色があっても部分的ということの方が多い。

 変種のコツマトリソウ( var. arctica )は、名前の通り本種よりも小型で、葉の先が丸い違いがあり、湿原に生える。




白い花1個と輪生状に集まる葉。この株の花冠は7深裂だ。北アルプス・栂池自然園。


 
花冠アップ。裂片が互いに重なり合う点に注目。この花冠は8深裂だが、ほとんどの花冠はこのように紅が差してもごくわずか。北アルプス・上高地(左)。北アルプス・焼岳で見かけたツマトリソウは、名前の由来になった花冠裂片の紅色縁取りが顕著だった。これほどまでに濃い縁取りがある個体は珍しい(右)。



湿原の中に生える変種のコツマトリソウ。北海道・夕張岳。


  
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