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遊園地の回転遊具みたいな花
ヤマジノホトトギス
ユリ科
Tricyrtis affinis
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 ユリ科ホトトギス属の多年草。北海道西南部〜九州に広く分布し、山野の林内に生える。ホトトギスのなかまでは最も一般的な種類。高さ30〜50センチになり、茎は直立もしくは斜上し、卵状長楕円形の葉は互生する。先はとがり、基部は茎を抱く。
 7〜10月に茎先や葉腋に上向きに花を1〜3個付ける。6個の花被片は平開し、白地に紅紫色の斑点が多数入る。雌しべの花柱は上部で3裂し、裂片の先はさらに2裂する。

 似たなかまにホトトギス( T. hirta )、ヤマホトトギス( T. macropoda )、セチウチホトトギス( T. setouchiensis )がある。ホトトギスは崖から垂れ下がるように生え、花被片が斜上する花が葉脇ごとに付くので、違いは一目瞭然。ヤマホトトギスは、花被片が反り返り、紅紫色の斑点が大きい、あるいはほとんど目立たないなど変化が多い。セトウチホトトギスは、花被片基部に黄色の斑点があることなどで区別できる。




7月初旬、島根県大田市・三瓶山登山道に咲くヤマジノホトトギス。ホトトギスの花には細長い微細な虫が花に付着していることが多い。この花にも何匹もいたので、撮影用のハケなどで取り除いて撮影した。



8月下旬、福島県大玉村・遠藤ヶ滝遊歩道で撮影したヤマジノホトトギス。



若い果実。広島県廿日市市。



  
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植物記