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北アルプス・八方尾根と遠見尾根の固有種
ハッポウタカネセンブリ
リンドウ科
Swertia tetrapetala var. happoensis
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 北アルプス・八方尾根の黒菱平から八方池にかけては、蛇紋岩と呼ばれる特殊な地質からなり、そのため固有の植物が生育している。平成8年(1996)に提唱されたハッポウタカネセンブリがその代表で、翌年に発表されたハッポウウスユキソウと同様に八方尾根と遠見尾根のみに生育する。

 リンドウ科センブリ属の1年草または越年草。漢字では「八方高嶺千振」。高さ10〜30センチ。7〜9月に淡紫色で濃紫色の斑点が点々と散在する花を付ける。花冠裂片にはそれぞれ1個の緑色の蜜溝がある。タカネセンブリの花冠裂片は萼片とほぼ同じ長さだが、本種の花冠裂片は萼片よりも長い。



約10年前の8月初旬、八方尾根で見かけたハッポウタカネセンブリ。淡紫色の花がさわやか。花のアップ写真を見れば、萼片よりも花冠裂片の方が倍近く長いことがわかる。



  
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植物記