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名前は発見された富士山に因む
フガクスズムシソウ(フガクスズムシ)
ラン科
Liparis fujisanensis
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 ラン科クモキリソウ属の多年草。本州、四国、九州に分布。ブナなどの大木の樹幹に着生することが多い。漢字では、「富岳鈴虫草」と書き、富岳とは富士山のこと。フガクスズムシともいう。高さ10センチ前後。葉は卵形で2個付き、その間から花茎を立ち上げ、6〜7月に直径1センチほどの淡紅紫色〜紫褐色の花を複数付ける。側萼片は開出し、線状の側花弁は下垂。唇弁は四角く反曲。距は後にのびる…という独特の色と形がおもしろい。
 過去にはクモキリソウとスズムシソウの雑種とされていたこともあるが、最近は独立種とされることの方が多いようだ。環境省レッドデータリストでは、絶滅危惧U類に指定。

 写真は、某県某山の登山道沿いの木に着生したフガクスズムシソウ。登山道から3メートルほどの高い場所に着生しているため、撮影難度は高い。そこでカメラを一脚に取り付け、その末端を持ち上げて目標の場所までカメラをのばし、リモートシャッターでシャッターを切ることにした。しかし、当然ファインダーは覗けず、液晶モニターも下から見えなくもないが、かなり見にくいか、またはまったく見えない。一脚の先に取り付けたカメラのレンズを正しい方向に向けるのは、これが想像よりもはるかに難しいのだ。こんなもんか…とシャッターを切り、カメラを下ろして確認すると、まるで画面に入っていなかったり…、肝心の花はピンボケで、後の幹にピントが合っていたり…。その繰り返し。現場に3時間も滞在して、相当数のシャッターを切ったが、ほとんどが失敗だった。



ここのフガクスズムシソウの花は、淡い色だったが、もっと濃い色の花を付ける株もあるようだ。一脚戦法でなんとか撮れた貴重な成功カットの中の一枚だ。



10株以上の群生。上の株と同じ木のもの。これは望遠レンズで直接撮影した。


  
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