黒熟する豆果をカラスに見立てた
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)
マメ科
Vicia sativa subsp. nigra
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マメ科ソラマメ属の越年草で、春の野原に咲く代表的な花のひとつ。別名・ヤハズエンドウともいう。漢字では「烏野豌豆」。本州〜沖縄の日当たりのいい野原や道端、土手、畑などにごく普通に生育している。葉は8〜16個の小葉からなり、先端は矢筈状に切れ込む。複葉の先には小葉が変化した巻きひげがあり、ほかのものに巻き付く。茎は、断面が四角形で直立する。
3〜6月に葉腋に紅紫色の花を1〜3個付け、長さ1.5センチ前後。豆果は長さ4センチ前後で、やがて黒熟しねじれて、晴れた日に裂けて種子を飛ばす。
関連情報→本サイト植物記「スズメノエンドウ」
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鮮やかな紅紫色の花が点々と咲く様子は、ごく見慣れた春の野原の風景だ。広島市
花の翼弁は旗弁と比べて色が濃い。またピントがボケているのでわかりにくいが、花の根元にある黒褐色の部分が托葉。ここからは蜜が分泌されるので「花外蜜源」と呼ばれる。
若い豆果(左)。熟して黒くなり、ねじれて弾き飛ぶ直前の豆果(右)。カラスノエンドウは、この黒い色をカラスに見立てた名前。どちらも広島市。
豆果を割ってみると、まだら模様の種子が、ビロード状の毛に覆われたさやの中で互い違いに並んでいた。広島市。
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