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秋の水辺を飾る定番植物
ミゾソバ
タデ科
Polygonum thunbergii
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  タデ科タデ属の1年草。漢字では「溝蕎麦」。水辺や湿地などの湿った場所に生え、群生することが多い。高さ30センチ〜1メートル。ウシノヒタイという別名もある通り、葉の基部は耳状に張り出し、牛の顔を連想させる形をしている。
 8〜10月に枝先に数個〜十数個の直径5〜7ミリほどの花を咲かせる。花冠裂片の先は紅紫色なので、よく見ると鮮やかだ。果実は、3稜があるそう果。

 一昨年(2013年)の9月末、取材で福井県敦賀市の池河内湿原を訪れると、本種が見事に群生していた。実は湿原や湿地で本種を見かける機会は多く、ありきたりで珍しくもないが、ほかにあまり花がないこともあって、手頃な撮影材料となった。花は小さく、いくら群生していても見栄えは今ひとつだが、花をアップにしてファインダー越しにじっくり見ると、その美しさに惹かれた。ミゾソバってよく見ると美しい…。



こうしてアップにすると、実に美しい花であることに改めて気づかされた。花冠は5裂し、裂片の先は紅紫色。基部は白色。福井県敦賀市・池河内湿原。



長野県上田市・菅平湿原に群生するミゾソバ。



  
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