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九州南部〜南西諸島に分布する
ヘツカリンドウ
リンドウ科
Swertia tashiroi
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  ヘツカリンドウは、九州南部〜南西諸島に分布するリンドウ科センブリ属の1年草、または越年草。名前は、最初の発見地・鹿児島県佐多町(現・南大隅町)辺塚に因む。高さ40〜70センチ。11〜3月、茎頂に円錐花序を作り、アケボノソウに似た花を咲かせる。緑白色の花冠は5深裂し、各裂片には抹茶色の蜜腺があるが、花冠と蜜腺の色と形態には変異がある。葉は厚い楕円形で、根元に数枚が広がる。

 写真は、大隅半島の稲尾岳で撮影したヘツカリンドウ。少し花期を過ぎていたようで周囲の株はいずれも果実。唯一花を付けていたのが写真の株だった。あまりベストでもなく標準的な草姿ともいえないので、いずれ機会があれば撮り直したいが、そもそも本種との出会いは非常にラッキーな経緯によるものだった。詳しくは書けないが、とにかく偶然、本種の自生地3ヶ所の情報を得ることができた。次はベストな時期に改めて訪ねてみたいものだ。



大隅半島の稲尾岳で遭遇したヘツカリンドウ。花はアケボノソウに似ているが、屋久島や南西諸島には赤褐色のものも見られるようだ。



ヘツカリンドウ花冠アップ。裂片にある抹茶色の斑点が蜜腺だ。



  
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植物記