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栃木県栗山村に因む
クリヤマハハコ
キク科
Anaphalis sinica var. viscosissima
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  キク科ヤマハハコ属の多年草。ヤハズハハコの変種で、栃木県栗山村(現・日光市)で発見されたことに因む。関東地方(栃木県、群馬県、埼玉県)に分布するが、『長野県植物誌』(信濃毎日新聞社)には未確認種として掲載され、確かに長野県東部にはあっても不思議ではないだろう。ちなみに御座山で見かけたものは、ヤハズハハコのようだったが。
 山地の岩壁に生え、母種に比べて綿毛が少ないが、腺毛は多いために粘着性があり、葉をもむと焦げた砂糖のような匂いがある。9〜10月頃、茎頂に直径3ミリ程度の頭花を散房状に付ける。

 写真は1997年9月に妙義山で撮影したものだが、『群馬県植物誌』(群馬県)をめくると、妙義山にはヤハズハハコしか分布しないことになっていた。ところが、その一方で妙義山にも自生しているとする別資料も…。両種には外見上の明瞭な違いはないので、同定は難しい。しかも肝心の葉の匂いは未確認(意外と匂いって、現場ですっかり忘れちゃうものなんだよな〜)なので、散々迷った挙げ句、確信がないまま著書にクリヤマハハコとして写真を掲載したこともある。今回、改めてネット検索してみると、妙義山のものはすべてクリヤマハハコ…とする記述を見つけ、少し安心。ネット情報なので、どこまで正しいか不明だが、本サイトでも掲載することにした。もし間違っていたら、ご指摘下さい。

【追記】
2017年7月、妙義山に登った際、葉の匂いを確認したところ、確かに焦げた砂糖のような匂いがあった。どうもクリヤマハハコで間違いないようだ。




妙義山の岩壁に群生するクリヤマハハコ。



頭花は、母種と同じで区別はできない。



  
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