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「東一華」というが、全国に分布する
アズマイチゲ
キンポウゲ科
Anemone raddeana
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 キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。名前は「東一華」だが、関東地方に限らず、北海道〜九州まで広く分布する。落葉広葉樹林の林床や草地などに生えるが、木々の緑が茂る頃には、地上からは姿を消すスプリング・エフェメラルの一種。
 3〜5月に高さ15〜20センチの花茎をのばし、茎頂に直径3〜4センチの白色の花をひとつ付ける。花弁はなく、花弁のように見える萼片8〜13個からなり、その基部と裏面はやや紫色を帯びる。根生葉は2回3出複葉で、茎葉は3出複葉3個が輪生し、小葉の先には丸い鋸歯がある。
 同属のキクザキイチゲに似るが、葉の形を一度よく見比べておけば間違うことはない。キクザキイチゲの葉が羽状に深裂するのに対して、本種の葉は丸っぽい。

関連情報→本サイト植物記「キクザキイチゲ



雑木林の林床に群生するアズマイチゲ。群馬県笠懸町・稲荷山。



花だけ見るとキクザキイチゲによく似ているが、葉を比べれば一目瞭然。カタクリの大群生地として知られる栃木県佐野市・三毳山。


花茎を持ち上げたところ(左)と蕾と展開前の茎葉(右)。埼玉県両神村(現・小鹿野町)。



コンペイトウのような果実。長野県長野市・戸隠高原。



  
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