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図鑑の用語説明図によく掲載されているが…
星状毛
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 植物の葉や茎の表面には、毛が生えていることが多い。おそらくさまざまな物理的リスクから植物体自身を守る意味があるのだろう。植物の毛には、腺毛、T字状毛、鱗状毛などがあるが、星状毛もそのひとつ。文字通り、放射状にのびた毛のことをいう。図鑑の用語解説を読んだことがある人なら、誰しもご存じだと思うが、ルーペでその構造をじっくり観察した経験がある人は少ないかもしれない。

 星状毛を付ける植物の代表が、野菜のナスである。ナスの葉表面を触ると、ざらついているが、それは星状毛がびっしり生えているためである。それを拡大してみると、以下の写真のようになっている。ちょっと意外では?



ナスの葉表面に見られる星状毛。よく見ると葉脈上にも生えているのがわかる。大きさは直径約1ミリ。この写真では、右半分の毛は白く反射してよくわかるが、毛はもともと透明なので左半分の毛は光の加減で見えにくくなっている。



上の写真の中からひとつの星状毛を拡大してみた。毛8本が水平方向もしくは斜め上方向にほぼ等間隔に放射状にのびて、垂直方向にも1本の毛が立っているのが基本構造のようだ。



横から見た星状毛。毛自体はほとんど無色透明だが、紫色のものも見受けられる。ほとんどは表面から直接、生えているように見えるが、葉脈上の星状毛には土台や柄に当たる部分があるようだ。



上の写真の拡大。この星状毛には土台状のものがある。



この星状毛には、明瞭な「柄」がある。上・下とも同じ1枚の葉の星状毛。



  
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Nature
植物記