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広島県で発見された新種
テリハナツノタムラソウ
シソ科
Salvia akiensis
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 テリハナツノタムラソウは、広島県の太田川支流で見つかり、2009年に報告されたシソ科アキギリ属アキノタムラソウ亜属に属する新種である。葉は3出複葉、もしくは5出複葉でロゼット状に根生し、表面には光沢があり、タジマタムラソウに似ている。一方、外側に多数の長毛がある花冠はナツノタムラソウを思わせるが、ナツノタムラソウのような濃紫色ではなく淡青紫色。また茎には一対の茎葉と下向きの微細な毛があり、断面は四角形。今のところ広島県と島根県で確認されており、広島県の自生地は渓流沿いにあるが、島根県の自生地は丘陵地の林縁や林内にある。

 私は両県の自生地に行っているが、どちらも「ここに自生しているのをよく見つけたなぁ…」と発見者に感心するような場所だった。以前は、広島県の自生地で撮影した写真を掲載していたが、花期終盤の株だったため花序が貧弱。そのためベストな時期に撮影した島根県の自生地で撮影した以下の写真に差し替えた。



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:里山の林縁にひっそりと咲くテリハナツノタムラソウ。花期は6月上旬頃。島根県某所。

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花序アップ。花冠には長毛が密生する。撮影地同。


  
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植物記