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この写真では、少々わかりにくいが、根際にある丸いのが花(萼筒)。地味な色に加えて下向きに付くので余計に目立たない。

北地に生えるカンアオイのなかま
オクエゾサイシン

ウマノスズクサ科
Asarum heterotropoides 
var. heterotropoides
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 ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草。カンアオイのなかまは、いずれも根際に目立たない地味な花をひっそり咲かせるので、一般受けはしないが、本種の萼筒は丸っこくて、3つある裂片が萼筒に沿って反り返るところが、なんともユニーク。
 北海道と東北地方の山地に生え、2個の葉と1個の花茎を出す。萼筒は、直径約1.2センチほどで、雄しべは12個。花期は5〜6月。

 写真は、鳥海山中腹の桑の木台湿原付近の森で見かけたオクエゾサイシンである。桑の木台湿原といえば、鳥海山を背景にワタスゲやレンゲツツジが咲くことで知られる湿原。かつては知る人ぞ知る湿原だったが、近年は専用の駐車場や探勝コースが整備され、状況が変わっている。この写真を撮影した2002年当時は、湿原に通じる道はまだなく、ヤブコギを要した。



  
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