Nature
  
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一種一種、植物を取り上げて、その植物にまつわる話題を写真とともに紹介します。

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植物記
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麝香の匂いがするというが…?
ジャコウソウ
シソ科
Chelonopsis moschata
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  北海道〜九州の山地に生えるシソ科ジャコウソウ属の多年草。湿ったブナ林などに多い。高さ60センチ〜1メートル。葉は対生し、長さ10〜20センチの長楕円形〜卵状楕円形で先が鋭くとがり、短い柄もある。8〜10月、上部の葉腋に1〜3個の淡紅紫色の唇形花をつける。花冠の長さは約4センチで、下唇は3裂する。

 名前は「麝香草」で、全草に麝香のような芳香があることに由来するというのが専らの説だが、ある図鑑には「その香を実際に体験した話は聞いたことがない」との記述があり、今回、ネットで調べてみると「葉を揉んでも青臭い匂いしかない」と書かれたサイトも見つけた。私は、過去に山で何度か本種を見ているが、考えてみれば芳香を確認したことは一度もない。もしかすると特定の時期だけ芳香がある可能性もないわけではないが、完全に事実誤認の可能性もあり得る。今度、山で見かけたら、とりあえず芳香の有無を確認してみたい。

 植物というのは、実はこんな感じでその実態が意外とわかってないことがある。分類上、花や葉などの形態については詳しく観察されるが、それ以外の、例えば茎の中空の有無とか、茎を切ると汁が出るか出ないかとか、そういうことになると意外に確認されてなくて、専門家でも知らないことが実際にあるのだ。



頸城山塊の金山
登山道で見かけたジャコウソウ。匂いの有無を確認してみればよかった。