塩性湿地に生えるので「塩場菜」と名付けられた
シバナ(オオシバナ)
シバナ科
Triglochin maritimum
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シバナ科シバナ属の多年草。かつてはホロムイソウ科とされたが、花被がないなどの理由からシバナ科として分けられた。
植物に関心がある人でもシバナの名前を聞く機会は少ないかもしれない。シバナからは「死花」を連想しそうだが、そうではなく「塩場菜」と書く。つまり海水と淡水が混じり合う汽水域の塩性湿地に生える植物で、「菜」の字通り、かつては若葉を食用にしたという。北海道〜九州の河口や干潟に広く分布するが、沿岸の埋め立てや護岸などで減少しているようだ。また広島県の宮島では、シカの食害のために絶滅寸前に追い込まれたが、保護活動により増えているという。
葉は細長く15〜30センチ。断面は半円形で、やや厚く、基部は鞘となる。6〜10月に地味な花を咲かせる。
写真は北海道野付半島のトドワラに生えていたシバナ。ちなみにシバナとオオシバナを分ける見解もあって、野付半島ネイチャーセンターでは、オオシバナとして案内しているようだ。トドワラにはかなりの数が群生していた。
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トドワラの塩性湿地に生えるシバナ。遠目ということもあるが、穂状に連なるのが蕾なのか果実なのかも、よく判別できなかった。
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