<<前のページ | 次のページ>>
「湿原の貴婦人」と讃えられる
クシロハナシノブ
ハナシノブ科
Polemonium caeruleum subsp. campanulatum var. paludosum
…………………………………………………………………………………………………

  ハナシノブ科ハナシノブ属の多年草。母種は大雪山系や夕張山系に分布するエゾノハナシノブで(カラフトハナシノブを母種とする見解もあるようだ)、本種は花序に腺毛と細毛が多く、小葉が細長い。また萼裂片が筒部よりもわずかに長い違いがある。名前の通り北海道の釧路地方のほか、色丹島にも分布する。

 6〜7月にさわやかな青紫色の花を開く。花冠は5裂し、黄色い葯が目立つ雄しべ5本と、雌しべ1本がある。花冠基部には濃紫色の網目状の模様も。また葉は羽状に裂け、高さ40〜80センチ。釧路町の「町の花」にも選ばれている。
 ハナシノブのなかまは、滅多に目にする機会がないが、本種は釧路湿原か、霧多布湿原に行けば、意外とあっさり出会える。



霧多布湿原に咲くクシロハナシノブ。青紫色の花は、楚々として何ともいえない美しさがある。「湿原の貴婦人」と形容されるのもうなづけよう。



  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記