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北海道に分布するハンショウヅルのなかま
クロバナハンショウヅル
キンポウゲ科
Clematis fusca
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  北海道の海岸の湿った草地や山地の湿原に生えるキンポウゲ科センニンソウ属のつる性の多年草。長さ1メートルほどにのび、葉は羽状複葉で小葉は全縁だが、2〜3裂することも多い。7〜8月、茎の先や葉のつけ根に暗紫色の花をつける。花は長さ1.5〜2センチの鐘形。花弁に見えるのは萼片で、先は少し反り返る。また萼片表面には褐色の毛が密生する。環境省レッドリストでは絶滅危惧U類に分類される。

 私が初めて本種を見たのは、1995年、雨竜沼湿原でのこと。ただし、その時は名前はわからずに帰宅して調べて判明した。雨竜沼湿原といえば今でこそ登山者に人気の湿原だが、当時はまだまだ知名度がなく、快晴の夏休み期間中だったにも関わらず、湿原で出会った登山者は数名だけ。ほとんど誰もいない湿原を堪能したことも印象深い。

 下の写真は2013年に再訪した雨竜沼湿原で撮影したもの。雨竜沼湿原では、木道沿いに割と多い。北海道ではほかに北見市のワッカ原生花園などでも目にできる。



雨竜沼湿原に咲くクロバナハンショウヅル。ゴワゴワとした黒っぽい毛に覆われた花が名前の由来。



  
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植物記