<<前のページ | 次のページ>>

ブラシのような花穂だが、これでもアブラナ科である。北海道・夕張岳

ハクサンナズナじゃないよ
ハクセンナズナ

アブラナ科
Macropodium pterospermum
……………………………………………………

 北海道や本州中部〜北部の高山帯に生えるアブラナ科ハクセンナズナ属の多年草。湿った草地や砂礫地などに生え、7〜8月には紫色の花穂をつけるが、花弁も萼も雄しべも、すべて細い線状をしており、一見しただけでは、とてもアブラナ科の花には見えない。
 根生葉や下葉は花時には枯れ、中葉は長卵形で柄の基部は半ば茎を抱く。果実は角果だが、これまた線状をしている。
 「ハクサン○○」という高山植物が多いので、本種もうっかり「ハクサンナズナ」と間違って覚えてしまいそうだ。しかし、正しくは「白鮮薺」であり、「白山」とは無関係である。東アジアからヨーロッパにかけて分布するミカン科の多年草・ハクセンの花に、本種の花が似ていることから命名された。
 写真は北海道・夕張岳登山道で見かけたハクセンナズナ。少し薄暗い場所だったため、現像してみると大半がブレブレ。かなりガッカリした。掲載写真は唯一使える貴重なカットである。



  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記