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日本産唯一のコショウ科コショウ属
フウトウカズラ

コショウ科
Piper kadzura

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 フウトウカズラは、常緑のつる性木本で、関東地方南部以西の本州〜琉球諸島に分布し、海岸沿いの岩や木、石垣などをはい登り、長さは時に10メートル以上にもなる。日本では珍しいコショウ科コショウ属で、種小名は「カズラ」なので、覚えやすい学名になっている。国内自生のコショウ科の植物としては、ほかに別属で3種確認されているが、コショウ科コショウ属では本種が唯一である。漢字では「風藤葛」。
 コショウ科の植物は精油細胞をもつために芳香があり、本種にも独特の臭いがある。雌雄異株で、どちらも長さ3〜8センチの穂状花序を垂れ下げる。花期は4〜5月。果実は直径3〜4ミリの核果で、赤く熟す。葉身の長さが11〜15センチもある品種をオオバフウトウカズラ( f. macrophyllum )と呼ぶ。




千葉県館山市の海岸沿いの森で見かけたフウトウカズラ。木に絡みついていた。



葉と対生して垂れ下がる花序。写真は雌花序。


  
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植物記