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愛鷹山や天子山塊周辺に自生する
アシタカツツジ

ツツジ科
Rhododendron komiyamae

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 静岡県の愛鷹山や天子山塊周辺に自生するツツジ科ツツジ属の半常緑低木。名前の由来となった愛鷹山では混生するミツバツツジの方が数が多く、本種は数えるくらいしか見られない。どちらも遠目に見ると似ているが、次の点に注意すると容易に見分けがつく。本種の葉は互生なのに対して、ミツバツツジは3個輪生する。花はどちらも紅紫色という点は共通するが、本種はひとまわり小さい。また本種は雄しべが7〜10本に対して、ミツバツツジは5本という違いもある。開花は5月上旬〜6月上旬。愛鷹山の開花は例年5月下旬である。
 ちなみに愛鷹山の主要登山口にもなっている静岡県裾野市の十里木高原には、別荘地の奥に市の天然記念物にも指定された「アシタカツツジ原生群落」があり、10分ほど歩く必要はあるが、登山しなくても手軽に観賞できる。




愛鷹山登山道で満開になっていたアシタカツツジ。この花目当てなのだろう。登山者は多かった


アシタカツツジの花。直径約3センチと小さい。この花の場合は雄しべが10本ある(左)。同じくアシタカツツジの葉。輪生みたいに見えるが、互生である(右)。どちらも十里木高原の「アシタカツツジ原生群落」にて撮影。



  
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