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フォッサ・マグナ要素の植物
マメザクラ(フジザクラ)

バラ科
Prunus incisa

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 関東や中部地方の太平洋側に分布するバラ科サクラ属の落葉小高木。サクラのなかまの中では、花も葉も小さいことから「豆桜」。またフォッサ・マグナ要素の植物で、富士山周辺に多いことから別名「富士桜」とも呼ばれる。
 3月下旬〜5月上旬、葉に先立ち、あるいはほぼ同時に開花する。花は直径約2センチで、下向きに付くのが特徴。花柄には斜めの毛が多い。葉は長さ2〜5センチの倒卵形または卵形で、欠刻状の重鋸歯がある。

 先日(2012年4月24日)、静岡県の朝霧高原を訪れると、ちょうどマメザクラが満開で、特に小田貫湿原では富士山を背景に見事に咲き誇っていた。今年は寒かったので開花も遅れ気味で、例年だともう少し早いはずだ。そういえば十年以上前の同時期のことだが、朝霧高原の西側に連なる天子山塊に登った時も本種が登山道に彩りを添えていたことを思い出す。



開花期の樹形。本種はこのように株立ち状になることが多い。静岡県富士宮市・朝霧高原にて。

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静岡県富士宮市・長者ヶ岳登山道で撮影したマメザクラ花枝。



下向きに付く花。静岡県富士宮市・朝霧高原。


  
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植物記