<<前のページ | 次のページ>>
水湿地に生えるので水菊
ミズギクとオゼミズギク

キク科
Inula ciliaris 
(ミズギク)
Inula ciliaris 
var. glandulosa (オゼミズギク)
…………………………………………………………………………………………………

 どちらもキク科オグルマ属の多年草。山地の水湿地に生えることから「水菊」。ミズギクは、本州近畿地方以東に分布し、東日本の湿原ではよく目にするが、なぜか宮崎県に隔離分布し、宮崎県では絶滅危惧種に指定されている。日本固有種。
 オグルマにも似ているが、本種は花の頃にもロゼット状のへら形で全縁の根生葉が残り、普通は枝分かれしない。6〜10月、茎頂に直径3〜4センチの頭花を上向きに付ける。茎の上部や葉には初めのうち毛が多い。ミズギクは、しばしば群生し、誰も訪れない晩夏の湿原を埋め尽くすように咲いていることもある。
 一方、尾瀬や東北地方の湿原には中部以上に付く茎葉の裏に腺点が多い変種・オゼミズギクがある。尾瀬はもちろん、裏磐梯などでも目にできる。



ミズギク/長野県山ノ内町・せせらぎ湿原。



オゼミズギク/福島県北塩原村・デコ平湿原。



ひっそりとミズギクが満開になった岩手県岩泉町の櫃取湿原。




  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記