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夜になると葉を閉じる
ネムノキ

マメ科
Albizia julibrissin
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 本州から沖縄まで広く分布するマメ科ネムノキ属の落葉高木。クロンキストの分類体系では、マメ科から独立させてネムノキ科とするが、今のところ従来のまま扱う植物図鑑がほとんどだ。漢字では「合歓の木」。
 6〜7月に淡紅色の花が頭状花序をつける。花弁は半分以上が合着して、長さ7〜8ミリの漏斗状。その花冠から長さ3〜4センチもある花糸が多数突き出すので、見た目には「糸状の花」にも見えるが、それは間違いである。果実は長さ10〜15センチの豆果で、秋には褐色に熟す。
 葉は互生し、15〜30対の小葉からなる長さ20〜30センチの2回偶数羽状複葉で、夜になると葉が垂れ下がり、小葉は閉じるので、まるで眠っているように見える。
 昨年(2011年)7月、仕事で兵庫県北部や京都府北部一帯を巡ったが、あちこちで花を満開にさせたネムノキを見かけた。場所によっては、街路樹として植えられたものもあるようだが、ほかの地方よりも多い印象を受けた。 




青草茂る農道とネムノキ/兵庫県香美町・神鍋高原。



満開になったネムノキ。埼玉県飯能市。



花糸が目立つ花序。埼玉県飯能市。



豆果。栃木県日光市・上三依水生植物園。


  
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