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晩夏の森をひっそりと彩る
サワギク
(ボロギク)
キク科
Senecio nikoensis
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 8月、山地帯の森を登っていると、登山道沿いにひっそりと咲く本種に出会う。小さな黄色い頭花をまばらに付け、決して華やかさはないが、花が少ない頃にあって貴重な存在である。沢沿いの湿ったところを好むので「沢菊」。別名のボロギクは、冠毛が雨に濡れて集まった様をぼろ切れに見立てた名前だそうだ。また冠毛を白髪に見立てて、属名も老人の意味があるという。ほかのキク科植物でも似たような冠毛をつけるのに、いいたい放題。サワギクがちょっとかわいそうにも思えてくる。
 キク科キオン属の多年草。高さは0.4〜1メートル。葉は羽状に全裂し互生する。6〜8月に枝先に直径約1センチの頭花を多数つける。北海道〜九州に分布。
 







黄色い頭花を多数つけたサワギク/長野県根羽村・茶臼山(左)。冠毛と花/山梨県富士河口湖町・三ツ峠山(下)。


  
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植物記