Nature
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外国で迷惑がられている日本産植物
植物雑話8
日本から外国に行った帰化植物ってないの?


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 日本で分布を広げた帰化植物(人間の活動によって国外から入ってきて野生化した植物)は枚挙にいとまがない。世界各地からやってきた植物が多数あり、一説には1300種類ともいわれる。帰化植物だけ集めた図鑑もあるほどで、その中にはセイヨウタンポポやヒガンバナなどのように、完全に身近な植物になってしまったものもある。しかも新たに確認される帰化植物もあるので、その種類は増える一方。これは生態系保全の観点からも決して好ましい事態ではない。
 ところで、日本に入ってくる帰化植物ばかり注目されるが、その逆はないのだろうか。実は日本の植物が外国で帰化植物となった例はいくつかある。例えば、シーボルトが持ち帰ったイタドリは、今や欧州各地で大繁殖し、根絶を計るプロジェクトがスタートしたり、かなり迷惑がられている。
 帰化植物といえば繁殖力が旺盛で、やがては在来の植物を駆逐する例も多く、日本の植物はそれに比べて弱い、という印象を持ちがちだが、必ずしもそうともいえないようだ。



  
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植物記